ここではお客様の商品の商標登録をする(※つまり商標権を取得する)ことでブランド力を向上させ、売り上げを拡大する弊社独自の戦略について、桜ジャパンプロダクツ株式会社の弁理士からご説明いたします。
まずAmazonブランド登録のことをご存じでしょうか?
Amazonでは現在、「ブランドを保護して、安心をお届けします」というコンセプトの下で、Amazon出品者の知的財産(商標権や特許権など)を登録し、ブランドを保護することを推奨しています。
Amazonブランド登録とは
このAmazonブランド登録により、メーカーやオリジナルブランド(いわゆるOEM)を出品する皆様は以下のメリットが得られます。
メリット1:売り上げ拡大可能!
メリット1の(1):費用対効果の高い特別な広告とは?
Amazonブランド登録をしていない場合には、大口出品の方に限ってAmazon上でスポンサープロダクト広告という広告を使うことができます。
しかし、この広告は費用対効果が悪く、しかも費用がとても高い広告しか使うことができません。
ここでスポンサープロダクト広告は、ユーザーがAmazonでキーワード(たとえばキャンプ、椅子)や商品名で検索した場合に、関連するたくさんの商品が検索結果として表示されますが、以下のように検索結果の上部に広告対象の商品(ここでは4つ)を検索結果の上部に表示するという広告です。
しかしスポンサープロダクト広告は大口出品であれば誰でも使用可能であり、これを使用する出品者は多いため、高額な広告費をかけないと検索結果の上位に表示されないという問題があります。
これに対し、Amazonブランド登録をすると、以下の「(a)スポンサーディスプレイ広告」と「(b)スポンサーブランド広告」と「(c)スポンサーブランド動画広告」という3つの費用対効果の高い特別な広告を使用することが可能です。
ここでAmazonブランド登録をするためには登録商標出願が必要であるため、基本的にはメーカーやOEMのオーナー自身でないとAmazonブランド登録をすることはできません。
つまり、上記の3つの広告を使用する出品者はメーカーやOEMのオーナー自身に限られているため、スポンサープロダクト広告と比較すると、これらの広告を使用する出品者は圧倒的に少ないです。
そのため、ユーザーに広告の表示がとてもしやすいので、ユーザーの購買につながりやすく、これらの3つの広告は費用対効果が極めて高いといえます。
メリット1の(2):Amazon バイン(Vine) 先取りプログラムとは?
バイン(Vine)とはブドウを意味しており、複数の機能を有するものが語源です。
メーカーやOEMの皆様が商品を新たに出品する際にAmazonのバイン(Vine) 先取りプログラムに参加すると、Amazonに選ばれた特定の30名程度のメンバーにその商品のサンプルを試してもらうことができます。
そして、Vineのメンバーから商品に対するレビューを提供してもらうことができるため、30名のメンバーなら商品に30個のレビューが得られることになります。
ここで、通常、商品を新たに出品すると、当然、その商品へのレビューは0個の状態からのスタートとなります。
ただご自身がAmazonユーザーとなったことを考えて頂きたいのですが、レビューが0個の商品を普通は買いたくないと思います。
同じような商品が同じような価格で2種類あったとしたら、既に良いレビューが複数ついている方の商品を購入しますよね?
つまり、新商品を出品してレビュー0個の状態からのスタートというのは極めて不利であり、下手すると誰にも購入されることが無いということも起こりえます。
これに対して、バイン(Vine)先取りプログラムに参加すると、30名のVineメンバーなら商品に30個のレビューが得られることになります。
しかもそのレビューをしてくれるメンバーは良質なレビューを一定回数以上行っている方々であり、商品に対する真摯な意見をわかりやすい言葉で記載してもらうことができます。
その商品の品質が良ければ、商品を売る前から30個の良いレビューが得られるため、これを見たAmazonユーザーの購入を促進できるのです。
つまり、商品レビュー0個の状態からのスタートと比較して極めて有利な条件で新商品の出品が可能になります。
メリット1の(3):新しいコンテンツの「ブランドストーリー」とは?
商品紹介コンテンツ(別名:Aプラス/A+)自体はAmazonブランド登録の特典ではありませんが、コンテンツ作成時に選択肢として表示される「ブランドストーリー」がAmazonブランド登録の特典となります。
以下はコーヒーなどの飲料メーカーのAGFのブランドストーリーの例です。
このようにブランドの説明や紹介を写真と共に載せることでAmazonユーザーにブランドをアピールすることでブランドを周知させるのに役立つ機能です。
なお、上記のブランドストーリーは横にスライドできるようになっており、ここの写真にブランドストアにアクセスするリンクを設定可能であり、これによりAmazonユーザに商品購入を促すことができます。
メリット2:低価格化の防止、ブランド力低下を防止できる!
メリット2の(1):第三者の出品(いわゆる相乗り出品)を削除できる
以下はAmazonの商品ページですが、↓の方に「新品(10)件の出品」と記載されており、出品者は全部で10いることが分かります。
そして、Amazon.co.jpも出品者となっており、カートを取得しているのはAmazon.co.jpです。
カートを取得するというのは、Amazonユーザが「カートに入れる」をクリックして商品を購入する場合に、その出品者の在庫から商品が売れることを意味します。
そのため、Amazonユーザーがこの商品を「カートに入れる」から購入したとしても、カートを取得しているAmazon.co.jpの商品が売れるだけで、他の出品者の商品は基本的には売れません。
ここで注目すべきはそれぞれの出品者の価格で、Amazon.co.jpの販売価格は1200円であるのに対し、最も高い出品者の販売価格は3780円です。
そして基本的には最も安い価格を設定している出品者がカートを取得することができます。
わざわざユーザーが価格の高い他の出品者を選ぶことはなく、「カートに入れる」からAmazon.co.jpの商品を購入することになります。
つまり、Amazon.co.jp自らが出品者となって商品の価格を下げてカートを取得しているわけです。
そして他の出品者は自分の商品を売りたければ(※つまりカートを取得したければ)、商品の値段を下げるしかありません。
なお、この商品の定価は1,380円なので、1200円で売れたとしても赤字になってしまうと思われます。
このようにAmazonでは同じ商品ページに対して複数の出品者がその商品を出品してカートを奪い合うため、カートを取得するために複数の出品者が互いに価格を下げる値下げ競争になることが多いのです。
これがAmazonで商品が明らかにおかしな低価格となる原因です。
出品者が赤字になってしまうような低価格の値段設定は要は安物ということで、その商品のブランド力の低下を招きます。
これに対し、Amazonブランド登録をしておけば、第三者のその商品の出品(相乗り出品)が皆様(メーカーやOEM)の商標権の侵害である旨をAmazonに申し立てることが可能です。
これによりAmazonはその第三者の出品を取り下げてくれますので、皆様の方で価格を設定することが可能となり、上述したような値下げ競争による低価格化の防止、ブランド力低下を防止することができます。
メリット2の(2)模倣品の出品も削除できる
メーカーやOEMの皆様の商品が人気になると、そのブランドと似たような名称を商品につけ、要するに模倣品を販売する第三者が現れるリスクがあります。
この時に皆様がAmazonブランド登録をしておけば、第三者のその模倣品が皆様の商標権の侵害である旨をAmazonに申し立てることが可能です。
これによりAmazonはその第三者の模倣品の出品を取り下げてくれますので、模倣品の出品を削除することが可能になります。
模倣品は皆様の商品より低価格で販売され、また品質が悪いことが多いため、これを放置しておけば、皆様の商品も低価格化しなければならず、またブランド力の低下を招くおそれがあります。
しかし、Amazonブランド登録をすることで、上述したような値下げ競争による低価格化の防止、ブランド力低下を防止することが可能となります。
メリット3:各種手数料無料キャンペーン及びキャッシュバック
メリット3の(1):FBAの在庫保管手数料等が一定条件下で無料に
FBAとはFulfillment by Amazonの略でAmazon倉庫にお客様の商品を送れば、在庫の管理やその後、商品を購入したユーザーへの発送などをAmazonの方で対応してくれるという出品者にとって大変、便利なサービスです。
しかし、FBAを使用すると、↓の(a)販売手数料の他に(b)FBA在庫保管手数料や(c)FBA配送代行手数料という手数料がかかります。
https://sell.amazon.co.jp/pricing?ref_=sdjp_pricing_n#fulfillment-fees
ここでAmazonブランド登録をした場合に出品すると、その商品は初めてAmazonに出品することになると思います。
この場合、ASIN(Amazon Standard Identification NumberというAmazonの商品識別番号)1つにつき、50商品まで90日間、(b)FBA在庫保管手数料が無料になります。
メリット3の(2):売上の平均5%が一定条件下でキャッシュバック
2022年3月1日以降、Amazonブランド登録を完了したブランド所有者(お客様)には、初めてFBAで出品するその商品の売上に対して、毎月5%のリベートがあります。
リベートとはキャッシュバックのことで、つまり商品の売上の5%分のキャッシュバックがあるということです。
ただしサイズによって30点から50点までで、最大90日間、適用されるということです。
上記の売上の5%分のキャッシュバックの分だけ上記で説明した(b)FBA在庫保管手数料や(c)FBA配送代行手数料が安くなることになります。
たとえば2000円の小型商品を一月に50点で3か月で150点、FBAで販売したとすると売上が30万円なので、その5%の1万5千円だけ(b)FBA在庫保管手数料や(c)FBA配送代行手数料が安くなることになります。
これだけ見ると、Amazonブランド登録をやらない理由が無いと思われるかもしれませんが、念のため、デメリットもお伝えしておきます。
ただし、「(1)商標登録出願コスト」については、上記のメリット1の「売り上げ拡大可能!」によりペイできるものと考えます。
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